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《みちる》 世界地図

Hi! 今日は『世界地図』の話です。

皆さんは『世界地図』というと、どんな地図を思い浮かべますか?

私は小学生の頃から、世界地図はこんな地図だと信じていました。
地図の真ん中に 細く赤い「さつまいも」のような日本があって 
その周りには水色の海が広がっていて、
広い太平洋の縁にその「さつまいも」がプカプカ浮かんでいるような図…。
日本のすぐ左側に広大なユーラシア大陸があり、
太平洋の右側には南北のアメリカ大陸があります。

そうです。
つまり私の頭の中では、日本はいつも世界地図の中央にあったのです。
こんな感じで…。



ところが… 
初めてアメリカへ行った時のことです。

「日本からわざわざやって来てくれた」と友人が私を歓迎してくれて、
ホームパーティーを何回も開いて
くれたり、
あちこちドライブに連れまわしてくれたりしました。
ある日、ミズーリ州セントルイスにある、
「シックス・フラッグス(Six Flags)」という遊園地へ行きました。
園内には子供たちにも分かりやすいように、
とてもとても大きな世界地図の掲示板が立っていました。
その時、引率者らしい大人が賑やかな子供たちを前にして、
世界地図の説明をしていました。

「どんな説明をしているのかな? 面白そう…」
と思って、私も興味津々に近づいていきました。
ちょうどとても背の高い男の子がいたので、
私も彼の後ろで子供たちにまぎれて覗きこんでいました。

「あれ…?」と私はびっくりしました。
「地図の中央にあるはずの『さつまいも』のような日本がない!」

いつも見ていた『世界地図』とは、どうも様子が違います。
大きな地図の中央には、カナダ、アメリカ、メキシコ、…等が
ド~ンと描いてありました。
その左に太平洋、右には大西洋があります。

私は友人のところへ走って行って訊きました。
「あの地図は私の知っている『世界地図』と違うけど、どうして?」
でも、友人のKさんは不思議そうな顔をして、
「あれは普通の『世界地図』だよ。どこが違うの?」
と平然と答えるのです。
私は急いでメモ帳を取り出し、いつも日本で見ていた地図
描いてみました。
すると友人は、それを見て大笑いしました。
「それは日本の『世界地図』でしょう?
 ここはアメリカだからアメリカの『世界地図』だよ…」

私はまだその説明の意味が分からず、目が点になっていました。
「日本にいる時は日本が中央にあるだろうけど、
 アメリカではアメリカを中央に描いてあるのさ。
 ちなみにヨーロッパではヨーロッパが真ん中だよ。
 赤道は変わらないけどね…」
…と説明されて「なるほど」と やっと納得しました。


[アメリカでよく見かける世界地図]

その後、いろいろな国でそれぞれの世界地図を見るたびに、
アメリカのあの体験をなつかしく思い出します。

何年か経って、日本人の後輩に この話をしました。
彼女も初めてアメリカ留学をした時、同じ体験をしたそうです。
彼女の場合は、街角に立てられていた『世界地図』を見て、
もっと衝撃的なことを発見してしまいました。
アメリカが中央に描いてあったのはいいのですが、
その地図にはどこの端を探しても、日本が見つからなかったそうです。
投書マニアの彼女は、憤慨してすぐに役所へ抗議の書面を送って、
地図を修正させたと語っていました。

『世界地図』にある どんな小さな島でも、
住民にとっては大切な居住地であり、生活の場です。

21世紀になっても、日本を知らない人は沢山いるかもしれませんね。 
小さいけれど、私たちの国を多くの人達に覚えてほしいものです。
でも反対に、私たちも世界には知らない国や地方が
かなりあると思います。

やはり、地球のどの国もお互いにできるだけ知り合って、
理解し合えたら、理想的ですね。


[セントルイスの「Six Flags」]





『世界地図』と聞くと、いつも私はニュージーランドの
 Wizard(男性の魔法使い)を思い出します。

ニュージーランドの南島の太平洋に面している場所に、
観光客に人気のある都市、クライストチャーチがあります。
そこの中心には有名な大聖堂があり、
その広場はいつも地元の人達や観光客で賑わっているのですが…。

そこに黒い大きな帽子をかぶり、ハロウィーンの魔女のような
マントを着て、大きな脚立を片手にしたWizardが現れるのです。
じつは「Wizard」と皆から呼ばれて愛されている名物オジサンです。
現れるのは、大体いつもお昼過ぎ頃だったと思います。
Wizardは広場に現れて 派手なパフォーマンスをしながら演説し、
まわりの人たちを喜ばせます。
本当は頭の良い学者の方で、宇宙学や心理学を大学で教えていた
勉強家なのだそうです。

20年近く前にクライストチャーチに訪れた時も、
彼は『世界地図』を広げて演説していました。
その時に、記念に私も彼の地図を1枚買ってきましたが、
そのオリジナル『世界地図』が奇妙で面白いのです。

すべてが“Upside-down” (上下逆さま)になっています。
つまり、南極が上、北極が下で、
赤道を中心に回転した形になっています。
もちろん ニュージーランドやオーストラリアも
北と南が逆さまの形で中央にあります。
彼の『世界地図』についていろいろ質問をしたいくらい、
大変興味深いものでした。


[クライストチャーチのWizardの世界地図]

でもその時は 私も近くの大学で日本語の講義をするために、
急いでいました。
それ以来、私は彼に会うことができず、
彼に質問することも、彼の演説の続きを聞くこともできず、
残念でした。

最近、またクライストチャーチへ行く機会があったので、
彼と再会することを楽しみにしていました。
でも、あいにくその時はWizardは姿を現しませんでした。
現地の友人の話では、近頃のWizardは環境問題に
取り組んでいるらしいとのこと。
相変わらず人気者のようです。


[クライストチャーのWizard]



ところで、
私が高校生の頃、地図帳は国名や地名などが
英語と日本語で書いてあるのを使っていたと記憶しています。
カタカナばかりで書いてあるものより読みやすいし、
覚えやすかったと思いました。
いろいろな地名は、英語でも覚えておくとトクですよ。

『世界地図』や地図帳ひとつでも卒業後も使えるような、
利用価値の高いものを選びたいものですよね。

何よりも海外へ行った時は、
現地ではカタカナ表記はめったにお目にかかれませんが、
大体の国では英語表記を見かけることができます。
初めて見る地名でも、自分の地図で地名が分かると、
場所も理解しやすくて安心しますよ。

It's a small world.

勉強や仕事の合間に、テストのためばかりでなく、
気分転換に『世界地図』を広げてみてください。
机上旅行も楽しいものですよ。

『世界地図』には、
私たちの夢を膨らませてくれる力があると思います。

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プロフィール

【みちる先生】
横浜市出身。
英語教育と日本語教育にたずさわり、その教え子達は現在、世界の第一線で活躍中。
また数多くの国々を訪問し、国際交流のボランティア活動も展開。

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