《みちる》 紹介
Hi! 今日のテーマは『紹介』です。
アメリカ人のCさんご夫妻が、私の家に遊びに来たとき、
テーブルにつくなり、お二人が声を揃えて怒り始めました。、
ある日本人への不満を私にぶちまけたのです。
「ひどい日本人がいてね…」「あんなひどい人はいないよ!」
「あれは悪い日本人だ!」「私の故郷では あんな人は見たことない!」
「一体どうしたの?」と よくよく話を聞いてみると、
Cさん達が、ある年配の日本人のお宅に招かれたときのことだそうです。
その日本人の夫が自分の奥さまを「これが“my bad wife”です」と
紹介したというのです。
「自分の妻を、わざわざ悪い人間だと紹介するなんて…」
Cさんは、玄関を入った直後から むっとしてしまったとのこと。
それを聞いて、おもわず私はふきだしてしまいました。
おそらく、その人は「愚妻」と表現したかったのでしょうか。
それにしても「bad」の使い方自体がおかしいですし、
そもそも「愚妻」は日本特有の表現であって、英語では使いません。
さらに、その日本人の夫はこう続けたそうです。
「彼女の料理はうまくないが、まあ、どうぞ食べてください」
「なぜ『うまくない』と言いつつ、客に食べさせるのか…」
それはCさん達にとって、理解に苦しむ状況でした。
Cさんご夫妻の「奇妙な体験」は、まだまだ続きました。
その家の食卓には、「てんぷら」「すき焼き」「すし」…などと
日本食がぎっしり。
食べきれないほどご馳走が並んでいるというのに、
夫のほうは「あれ、持って来い」と奥さまを立たせるばかり。
奥さまのほうは何度も立ち上がってキッチンへ去り、
酒や料理などを運んできたそうです。
なぜ、夫は自分でキッチンに取りに行かないのか、
なぜ、奥さまはお料理を出し続けなければいけないのか、
Cさん達にはワケが分からないことばかりだったそうです。
さらに、Cさん達がその夫に「すてきな奥さまですね」と言うと、
「いえいえ、こいつは気が利かないし、何も出来なくて困りますよ」
と言って夫は笑っていたとのこと。
「…その笑いの意味が分からない…」
Cさん達は、リアクションに困ってしまったそうです。
「だいたい自分の妻を人前で悪く言う奴は、人間として最低だ!」
「夫のほうは飲んでいるだけで何もしないくせに!」
「そうだ、奥さまを手伝おうともしていなかった!」
Cさん達は、しばらくの間、私の家で怒りを爆発させていました。
日本では、謙遜して身内を人前でわざと卑下してみたり、
そういう態度や表現をする人もいます。
でも外国の人達からみると、こういう日本人の言動や行動は
かなり奇妙で、場合によっては腹立たしいものかもしれません。
私の経験から、こんな『紹介』のパターンがありました。
イリノイ州の友人宅へ行った時のことです。
私が到着するや否や、家の中から友人の家族がゾロゾロ出てきて、
友人は、まだ関係の浅かった私に、家族の詳しい紹介を始めました。
イリノイ州の友人宅へ行った時のことです。
私が到着するや否や、家の中から友人の家族がゾロゾロ出てきて、
友人は、まだ関係の浅かった私に、家族の詳しい紹介を始めました。
「これが夫のボブよ。でも本当はロバートっていう名前なの。
仕事は、広告会社に勤めているわ。
彼は、この辺では一番園芸の才(green thumb)があるの。
あとで裏庭を見てね。一年中、花で私を楽しませてくれているのよ。
それから、こちらが長女のケイト。9歳。サッカーに熱中しているの。
女子のサッカーチームで、素質があるってコーチも褒めていたわ…」
「褒められたのはたった一回だけよ」とケイトが横やりを入れると、
「一回でもコーチが言うんだから、すごいことよ!」と誇らしげな友人。
あっけにとられながらも、聞いている私まで楽しくなりました。
私の友人にはユニークな方が多く、その『紹介』の仕方も個性的で、
それぞれ心に残るものばかりです。
誰かを『紹介』するということは、その本人を目の前にして、
その人について気持ちをこめて「説明をする」ことだと思います。
ただ不自然な「褒め言葉」を並べたら、紹介されている本人が
怒り出すかもしれませんよね。
自分に身近な人だからといって、この日本人の話のように
謙遜したり、照れて卑下したりしながら紹介したら、
誤解されることもあるでしょう。
『紹介』された人も『紹介』した人も、気持ちよく、
その場が和やかになる『紹介』が一番良いでしょう。
これから『自己紹介』をする機会も多くなる季節ですね。
ユニークな表現で「あなたらしさ」を伝え、
聞き手のハートに残る『紹介』を考えてみてはどうでしょう。
〔イリノイ州のご家庭でのパーティーの準備〕
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