2010-8-25

《みちる》 パースの日本人たち

Hi! 『パースの日本人たち』について話しましょう。

みちるの「さんぽみち」も、今回で最後になりました。
どうしてもお話したいトピックスの1つに
『パースの日本人たち』があります。


[ パースの街 ]


西オーストラリアのパースにロングステイをしました。
パースは小さな都市ですが、人々は大変friendlyで
居心地のよいところです。

中国や東南アジアに近いせいか、道行く人々の会話も
英語以外の言語をよく耳にします。
パースには、旅行者以外の日本人もかなり居ましたよ。
初対面でしたが、色々な方とお話をする機会がありました。

まず、ワーキングホリデイで来ている人や、ホームステイや
自炊を経験しながら英語の学校に通う人達もいましたね。
短期間の滞在者は、大体10代後半から20代の若い人達が
中心でした。
実家の手料理を懐かしがったり、ホームシックにかかりながら…
でも、憧れの海外生活を思いっきり
楽しんでいるようでした。

日本の大学や専門学校を卒業して、それを生かそうと
パースへ来た人達もいました。
パースの大学で地元の学生と一緒に勉強をしている
日本人留学生達もいましたし、将来は市民権を獲得しようと
働きながら努力している若い人達にも会いました。
それは大体20代から40代くらいの方で、各自が自分の考えを
しっかり持っていました。

それぞれ固い決意を持って、「自分に合った生活」を求めて
日本を離れてきたことでしょう。
Roughな外見とは別に、現在を生きる強さと
globalな優しいまなざしが印象的でした。

「パースで日本より良いと思う所はどこですか?」と
彼らに訊いてみました。

すると多くの人は、
「勤務時間が短く、自由時間が持てるので、勉強、アルバイト、
 家庭生活など色々両立できること」を一番に挙げていました。

そうです、パースに着いた日に、じつはびっくりしましたよ。
日本の企業などと違って残業がないので、繁華街の店や
デパートやスーパーなども、夕方の5時少し前になると
バタバタと閉店してしまうのですから。
働いている人達は、帰宅を急いでいるように無言でサッサと
立ち去って行きます。
5時を過ぎて10分くらい経つと、繁華街もウソのように
静まり返ってしまうのです。


[ にぎやかな昼間の繁華街 ]


[ 夕方の人がいない繁華街 ]

開いているのは、マクドナルドと観光客用の土産物屋と
少しのバーだけになってしまいます。
これは「個人の生活を尊重し各自の自由な時間を大切にする」
という州の意向だそうですから、日本と大いに違いますね。

次によく挙げられていたのは、
「人間関係の付き合い方が合理的であること」でした。
お中元やお歳暮、お礼など儀礼的な付き合いは一切なく、
金品で厚意を示す習慣はないそうです。
嬉しい時、困った時は、近所の人や友達に話して
お互いに手助けをするのが普通のようです。

土曜日や日曜日の午後、よくこんな風景を見かけましたよ。
教会ばかりでなく、近くの広場や公園で結婚式のパーティーが
行われているのです。
日本のように高額な費用をかけた儀式や披露宴ではありません。
手作りのガーデンパーティーのように温かい雰囲気を感じました。


[ 公園でのカジュアルなウェディングパーティー ]

幸せいっぱいの花嫁花婿さんが、広い芝生の上で
集まってくる見物人も含めて普段着の大勢の人々から
祝福を受けていました。
本当に微笑ましくて、思わず「おめでとう! お幸せに!」
と声をかけてしまいました。


反対に「パースへ来て困ったことはありますか?」と
彼らに訊いてみました。

「健康ならば問題はない」と彼らは言いました。
「でも病気になったら、医療費のことが…」と皆が言いました。
確かに海外では日本の健康保険証は使えませんから、
非常に多額の医療費を払わなければなりませんね。
「だからパースに来てからは、自分で病気にならないように
 充分気をつけている」と皆、口々に言っていました。
そして必要な薬は、少し日本から持参しているそうです。
地元市民も、保険会社のそれぞれ自分に合った保険に加入して
自衛しているとの事でした。

パースで働いている日本人は、あちらこちらで見かけました。
「日本の旅行社の現地支社」「現地の旅行社の案内所」
「観光地の切符売り場」「土産物屋」「
ツアーガイド」…
日本人観光客に接する仕事には、ほとんど現地に滞在する日本人が
対応していました。
観光客側にとっても、日本語で相談ができたり説明を聞くことが
できることは、安心して旅行を楽しめる第一条件です。

「お金を貯めたら 日本の両親を招き、楽しませてあげたい、
 だから毎日がその予行演習…」
と言って張り切っている青年がいましたよ。


ちょうど日本では「文化の日」で、祝日だったときでした。
現地で知り合った日本人の紹介で、小さい子供たちの集まりに
参加しました。
パースから電車にのって2つ目のグレンダロー駅で、
その「こども会」のMさんのお迎えをうけました。
それは親が日本から仕事の転勤で来たり、
国際結婚でどちらかが日本人だったりする子供達の会でした。
現地の生活は英語ですが、「幼児のうちに日本語や日本の
伝統的習慣も覚えさせたい」と願う若い親達が、
自主的に作ったグループだそうです。
Mさんにも2人のお子さんがいて、たまたま保育士の資格や
経験があったので、その「こども会」の
お世話や指導を
頼まれているそうです。
私もボランティアで40分ぐらい、こども達とマジックや折り紙や
お話やゲームをしました。
楽しかったですね。…素敵な思い出になりました。
こども達との時間が終わると、付き添いの保護者達の
手作りのティーパーテイがありました。
それは、日本人同士のとても良い情報交換の場になっていました。

「子供が成長して 日本へ帰っても、世界のどこで生活しても
 一人でしっかり生きていけるように…」
と強く願っている若いお母さん達の意見が心に残りました。

パースで会った日本人の方々には、それぞれにドラマや本に
なりそうなstoryがたくさんありました。

ワーキングホリデイの若者も、働きながら勉強に取り組む
大学生も、海外で子育てに頑張るお母さん達も、そして
異国で過す幼い子供達も…素直な優しい笑顔がありました。

『パースの日本人たち』Good luck to you!
『海外で頑張っている日本人たち』 Good luck!
心から応援したい気持ちでいっぱいです。


さて、猛暑の夏休みも終わりになります。
『日本にいる私たち』も新しい気持ちで、
現在の生活に向き合って、それぞれ新たなstartをしましょう。

みちるも新しい「さんぽみち」を歩いていきます。

Thank you for letting me join you.
Good luck to all of you!




2010-8-18

《みちる》 てんぷら

Hi! 『てんぷら』の話をしましょう。

どこのお店の「てんぷら」が美味しいか?
何の「てんぷら」が好きか?
                 …なんて話では、ありません。


旅行会社のツアーでは、こんな経験はゼッタイないと思いますが…
ホームステイや友人や知り合いの家庭に滞在したとき、
「『日本料理』をつくってください!」
と、よく言われます。
男性でも女性でも学生でも「できません!」なんて言えませんよ。

そんなとき、「迷ったら『てんぷら』を作ったらよい」と
いうことにしています。
料理をあまりしたことがない人でも失敗せずに、
しかも、たいていの外国人に好まれる料理だからです。
未経験者なら、一回ぐらいは渡航前に練習していったほうが
良いことは確かですが…。

今日は、私がアメリカで初めて『てんぷら』を作ったときの
ハプニングを話しますね。



ポートランドの郊外にある友人のSさん宅に
泊まっていたときのことです。
さっそく「日本料理を作ってほしい」という注文が出ました。
田舎で、かなり遠くにスーパーマーケットが1軒あるくらい
辺鄙なところでした。

まず、車で材料探しに連れて行ってもらいました。

外国のスーパーマーケットは、たいていの場合、
日本と違ってスケールが大きく、びっくりします。
野菜や魚介類もサイズや種類も様々で、
形や色も日本人にとっては変わったものがあります。
品物の並べ方も、国によってそれぞれ違います。



値段も日本と比べて極端に安かったり高かったりして、
異文化の相違を感じることができます。
時間があったら、ゆっくりその場所のスーパーマーケットを
見物してまわると面白いかもしれません。




さて、適当に材料を揃えて帰り、私は調理を開始しようとしました。

“Be sure to call me when dinner is ready.”
 (ご飯が出来たら、きっと呼んでね。)
“I'm in my room till then.”
 (それまで部屋にいるからね。)
“I can't wait for Japanese food.”
 (日本料理が待ち遠しいな。)
と皆は口々に言いながら、私が自由に料理できるように
気を配って立ち去っていきました。

とてもきれいな広いキッチン!
一人になった私は、腕を振るって皆を喜ばせようと張り切りました。

でも使い慣れていないキッチンは、さっぱりわかりません。
(まな板はどこ?)(包丁は?)(てんぷら鍋は?)(菜箸は?)…
材料は揃っていても、器具類がわかりません。
日本の調理器具はないかもしれませんが、
それに代わる物があるはずですが…。
主食はご飯ですが、もちろん電気釜なんて見当たりません。
困ったなぁ…。

Sさんの部屋へ行って尋ねてみました。
「まな板(a cutting board)は、私は使わないからないのよ。
 包丁(kitchen knives)はパン切包丁(a bread knife)と
 皮むき包丁(a paring knife)があるけど、
野菜や肉等は
 このハサミ(kitchen scissors)で切るのよ。
 炊飯器(a rice cooker)は、電子レンジ(microwave oven)を
 使ってね。」…と言うのです。

そして彼女は、いきなりキュウリ(cucumber)を片手でつまんで
ぶらさげて、ハサミで器用に
チョキチョキと切って、
サラダボールに落として見せたのです。
(すごい! まな板の上で切るのでなく、空中で切るなんて…)
と一瞬感心しました。

話を聞いてみると、彼女の生活は日本人家庭の主婦の生活と
全く異なっていました。
彼女は、毎日の料理や家事になるべく時間をかけないようにしています。
日本の主婦が夕食の支度に1時間も2時間もかけたり、
朝のお弁当つくりに労力をかけたりするのは
「考えられないこと」のようでした。

「夕食準備は長くて15分、電子レンジで温めてsettingするのが
 普通。
週末や時間のある時に肉料理を作ったり、スープや
 デザートをたくさん作って冷凍したり、スーパーマーケットの
 冷凍食品を買い溜めしておくのよ。」
と説明しながら、大きな冷凍庫がいくつも並んでいる別室を
案内してくれました。

「食事の支度も後片付けも、家族みんなで手分けするから
 だいたい5分くらい!」
と言うSさんは、夕食後は本や雑誌を読んだり、
家族や友人とお喋りしたり情報交換したりする時間を
重視しているようでした。

さぁ、大変です。
1時間も2時間もかけて『てんぷら』を作っているわけには
いきません。
慣れない調理場で、慣れない器具で、私は本当に必死で
『てんぷら』を作りました。

調理時間の「15分」ではとても出来ませんでしたが、
なんとか40分くらいで出来上がりました。

まず「本物の『日本料理』ではなくて『日本風料理』です…」と
説明しました。
皆は“Anything is O.K.(なんでもいいよ)”と言いながら、
とても喜んで食べてくれました。
Sさんは近くに住んでいる娘さんにも食べさせたいと
お皿に取り分けていました。

なんとか大成功だったようです。
『てんぷら』を料理することで、お互いの異文化への理解を
深めることができました。



ところで、異文化を知るのに一番大切なことは何でしょう?

もちろん、まず語学力が必要なことは確かです。
単語は1つでも多く身につけておきたいですね。
英検も頑張れるだけチャレンジしておいたほうがいいでしょう。
でも、英検の準1級や1級を獲得しても、
そのまま語学力を机の引き出しにしまっていては
何もなりません。

「語学力」よりも大切なのは、新しいことに挑戦する
「エネルギー」だと思います。
要するに「自分で飛び出て知らない世界を見たい」という、
エネルギーが一番必要なのだと
感じています。


この間、しばらく文通が途絶えていたSさんから、
短い便りが届きました。

“You know something? 
 We enjoy your tempura from time to time.”
 (あのね、ときどきあなたの『てんぷら』を作って
  楽しんでいますよ。
)




2010-8-11

《みちる》 伝えたい事を

Hi! 『伝えたい事を』のお話です。

アメリカ人の友達がこんなことを私に言いました。
「日本人の手紙は“I'm sorry…”というお詫びから始まるのですね…」

私は、全然そんなことを考えたこともなかったので、
びっくりしました。
「そうでしょうか?」と首を傾げました。
すると、こう言うのです。
「Not every time, but very often.
 (毎回ではないけど、よく…そうですよ。)
 大抵、私たちは“I'm happy…”から書き出しますよ。
 例えば“I'm happy to hear from you.”(お便りを
 貰ってうれしかったです)のようにね…」

そう言われれば、そうです。
私たちの手紙は、よく「ご無沙汰してすみません」とか、
「返事が遅くなってごめんなさい」から始まります。
それから、長々と言い訳を書いています。
お詫びと言い訳を書いて、…近況報告をしたつもりに
なってしまったりして…。
それで文章が終わっていたら、その手紙は何を伝えたいのか
わかりません。

手紙でも、会話でも、報告でも、『伝えたい事』をハッキリと
一番先に言うのが重要です。

「一番先に言う」
…そこがアメリカ人が日本人と少し違うところなのです。

手紙の事を指摘した友達が、笑いながらこんなことも言いました。
「きっと日本人は 愛する人に愛をささやくとき、
 “I love you. I need you.”と言う前に、長々と理由を
 話したり、日ごろの気持ちを説明するのでしょう?」

そんなふうに思われたら、ちょっと心外ですね。
日本人だっていろいろな人がいますから、
“I love you. I need you.”と結論を簡潔に言われたほうが
好きという「結論派」だっているでしょう。
あなたはどう?


さて、英文法の話になりますが、
主節と副詞節のある複文を使う場合を考えてみます。
例えば、この文の場合です。

「この夏にロンドンを訪ねたら手紙を書きますね。」

これを英語に訳してみましょう。

・I'll write to you when I visit London this summer.
・When I visit London this summer, I'll write to you.

さて、上の2つの英訳は主節と副詞節の順序が違いますね。
どちらの節を文頭にしたら、必ず正解になりますか?
下の1~3について、それぞれ「True」か「False」で
答えてみてください。
   ※  正しいことを言っているものは「True」、
      間違ったことを言っているものは「False」 です。


1.「どちらでもよい」
2.「主節が先」
3.「副詞節が先」





じつは、全部「False」と言ってもよいのです。
それでは「True」の場合は、どんなときでしょうか?

『重要な用件(伝えたい事)が一番先』に来るのが「True」です。
ですから、その時の状況によって語順が変わるのです。

「あなたに手紙を書くよ」と伝えたいとき、
メールや電話ではなく「手紙を書く」ことが重要になります。
その場合は「主節が前、従属節が後」の順になります。

「ロンドンを訪ねる」ときを指定して話題を伝えたいときは、
それはパリやローマへ行ったときではありません。
そんな条件があるときは、従属節を前にします。
つまり、特殊構文の強調を思い出してください。
…その要領を使うわけですね。
うっかり考えないで使ったら、時には意味が不正確に
伝わってしまうかもしれませんね。

日本語でも「重要な用件から」伝えたほうが
相手に分かりやすく、インパクトがあります。
「前置き」や「遠まわし」などは、
「話題の混乱」を招く原因になることさえあります。
「愛の告白」ばかりでなく、どんな場合でも
「伝えたい事から」のほうがうまくいくかもしれません。

外国人は一般的に「伝えたい事」は遠慮せずに、
「重要な事」は バシッと最初に簡潔に伝えるようです。

日本人は「遠慮を美徳」と考えてきました。
でも外国人には、日本人の「ハッキリしない態度」を
理解してもらえるのでしょうか?

“Most of the Japanese are shy.”
 (日本人は内気な人が多い。) とよく言われます。
それは…
“a diffident person”
 (自信がないために引っ込み思案な人)でしょうか?
“a bashful person”
(本能的に人目につくことが苦手で恥ずかしがりやの人)
 でしょうか?
“a modest person”
(自信はあるけど謙遜して出しゃばらない人)でしょうか?

いずれにしても、人前でためらっていたりしないで、
会話でも、報告でも、自分の意図をハッキリと伝えないと
“a shy person”
(気が弱いか経験不足でしり込みしている人)
の部類に入ってしまいます。

外国人とのふとした会話から、私はいろいろ考えさせられました。
そして、今日の『伝えたい事』は、これです。

“Let's state what we want to say clearly, and that first.”

(言いたいことはハッキリ、しかも最初に言おう。)


2010-8-4

《みちる》 決まり文句

Hi! 『決まり文句』についてお話しましょう。

日本語特有の言葉で、英語にない表現が色々あります。
そんな表現を「みちる流」に考えてみました。


★「お疲れさま」
最近は「ご苦労様」という言葉より「お疲れさま」が
挨拶語として使われています。
これは、様々な場面で広く使えるからでしょうね。
日常、部活や仕事の仲間と別れるとき使うことがありますね。
最近は「さようなら」なんて挨拶を聞きません。
そこで登場するのが「お疲れ!」「お疲れさん!」
「じゃ!」「ではまた!」とかです。
気軽に、便利に使えます。
そんな場合は、英語でも“Bye.”“See you.”と言えば
いいでしょう。

でも、「お疲れさま」は、こんな時にも使っています。

自分が頼んだわけでもないけど、
なにか仕事や運動を終えて戻ってきた人に対して
「お疲れさま」って声をかけてあげたい…、
そんな時は
“How did it go?”(どうだった?)
“How was your game?”(試合はどうだった?)
とか、様子や結果を尋ねて普通の会話に入り、
「お疲れさま」の英語版にしてもいいでしょう。

もちろん自分が頼んだ仕事が終わったときなどは
“Thank you. I really appreciate it.”
と、感謝したらいいですね。


★「行ってきます」「行ってらっしゃい」
よく英会話の本に
“I'll be leaving now.”
などが書いてありますが、
その表現は旅行などに出かける場合はよいと思います。
でも毎朝、学校や仕事に出かけるときの会話としては、
“Bye.”“See you.” などでかまわないと思いますよ。
家族だったら、「行ってらっしゃい」に
“Take care.”もいいでしょう。

道でバッタリ逢った友達が
“I'm going to Hawaii next week.”
(来週ハワイに行きます。)
と言ったら、そんな時の「行っていらっしゃい!」は
“Good luck.”や“Have a nice trip.”
と言ってあげたいですね。


★「ただいま」「おかえりなさい」
よく英会話の本に書いてありますね。
でも“I'm home.”“Welcome back.”などは
久しぶりに帰って来たときに使いたいですね。
毎日、学校や会社から帰って来た時などは
“How was school?”や“How was work?”などと
訊いてあげるのもよいと思います。



日本語の初級のクラスでは、『日常の挨拶』を先ず教えます。
「おはようございます」「こんにちは」
「こんばんは」「おやすみなさい」「さようなら」
でも 日本の家族内では「こんにちは」と
「こんばんは」と「さようなら」は使わないと教えます。
すると外国人は、びっくりしますよ。
「『お母さん、こんにちは』はダメですか?」
「夜、お父さんに「こんばんは」は、いわないのですか?」
「朝家を出るとき、『お母さん、さようなら』は
 言いませんか?」…と言いだします。

私たちには、当たり前でしょう?
…でも外国人にとっては、実に奇妙だと感じるようです。


★「いただきます」「ごちそうさま」
これも、私たちは習慣から食事を前にすると、
手を合わせて何か言いたくなりますよね。
食事の前にお祈りをして、ホストの人が食べ始めたら、
一緒に食べていいのですが…
そんな時、
“Everything looks so delicious.”
(おいしそうですね。)
と言ったら、どうでしょう。
食事が終わった時も、
“Thank you for the delicious dinner.”
(美味しかったですよ。)
と感謝したらいいと思います。





『決まり文句』といえば、
特にアメリカやイギリスでは「クシャミ」のときです。
学校の教科書で習っていても、
始めはすぐにこの『決まり文句』が出てこないでしょう。
日本語では「ハックション」ですが、
英語では“Achoo !”(アチュー)です。
私たちは「風邪をひいたかな?」とか
「誰か噂しているよ」なんて、
周りで言うかもしれませんね。
英語圏では「クシャミをすると、その瞬間だけ魂が抜けて
悪魔が入ってくる」と信じられています。
だから、周りの人が「(悪魔が入らないように)
神のご加護がありますように」“(God)Bless you.”
と言ってあげます。
そして「クシャミ」をした人は、皆に
「ありがとう」“Thank you.”と必ず言うのです。

“Achoo!”
“Bless you.”
“Thank you.”

この『決まり文句』は、相手のクシャミですから
不意に使わなければなりませんね。
初めは上手に出てこないかもしれませんが、
一回クリアすれば、案外上手に言えますよ。
適当な言葉や表現が存在しないことは
英語にも日本語にも、たくさんあるでしょうね。
だから他国語を勉強したり、異文化を知ると
「日本語では? 英語では? どう表現し、説明するだろう?」
と考えてしまいます。
ちょっと面白いことかもしれません。
でも、私たちには共通点もいっぱいあって、
お互いに自然に通い合えるものです。
「みちる流」のadviceは、
「英会話の本やガイドブックなどに拘らなくて良い」
ということです。
ぜひ「臨機応変」に「自分流」で対応して、
現地のマナーに反していないかぎり、
時にはドキドキしながら「自分流」を楽しむことをお勧めします。


2010-7-28

《みちる》 一休み

Hi! 『一休み』にしましょう。

“Why don't you take a break?”の話です。
一般に仕事や勉強を始める時、私達はちょうど電車が発車するときのように
徐々に集中してきます。
でも私たちの集中力は機械ではないので、何時間もノンストップで
持続できるものではありません。
途中で(もう少し続けたい…)と焦れば焦るほど、(うまくいかない…)
なんて事を経験しますよね。
思い切って『一休み』する…これも勉強や仕事の一つの手だと思いますね。
(『一休み』ばかりしていてはダメ)(時間が長すぎてはダメ)は、
当然のことです。
現在取り組んでいる勉強や仕事にプラスになる…効果のある『一休み』が
必要になります。
いったいどんな『一休み』がベストなのでしょう?
(お茶やコーヒーを飲む)(立ち上がって手足を伸ばし、軽いストレッチをする)
(甘いものを少し食べる)(眼の疲労回復に 遠くの景色や緑の木々を見る)
(目を閉じてほんの少し仮眠する)(すきな音楽を聞く)(マンガや雑誌を読む)
色々言われますが、どれが効果的なのでしょう?

答えはそう簡単ではないようです。
これは“So many men, so many minds.”(十人十色)で
効果的な『一休み』の方法は、既製品(ready-made)では
うまくいかないそうですよ。
(なぁんだ!…やっぱりね!)と思いますよね。
自分流で発見するのが、自分にはピッタリくるようです。
授業中の『一休み』で、イングランドから来た留学生にいろいろパズルを
教えてもらいました。
今日はそんな話をしながら、先ずこんなパズルをちょっと考えてみませんか?



この図には、あるルールに従って部分的に数字が置かれています。
そのルールを見つけて「」の部分に入る数字を考えてください。





これを教えてくれた男子留学生は、AFSの生徒でした。
英語圏の高校生が、世界各国からAFSの生徒として、ホームステイに来日します。


※「AFS」とは…?
 「AFS」は「American Field Service」の略です。
 高校生の交換留学を主な活動としている民間国際教育交流団体で、
 特定の政治・宗教に偏らない非営利組織です。
 国際本部をニューヨークに置き、世界中で活動する数多くの
 ボランティアの支援のもとで、異文化教育交流を行っています。
 現在、AFSの加盟国は50か国以上、交流国は約80か国に及びます。


特に夏休みや冬休みに、「短期留学生」として2~3ヶ月各地で日本語や
日本文化を学ぶコースもあります。
私も彼らの「日本語集中講座」を毎年担当しました。
80時間で一応 実際的なナマの日本語を身につけ、
ホストファミリーと生活できるようにします。
電車やバスで通い、朝から夕方まで「日本語、日本語…」、
そして宿題もたっぷりあります。
ですから、本当に大変です。
大体15歳か16歳が中心ですが、皆しっかりとした目標をもち、頑張っていました。
でも、どこの高校生も同じで、『一休み』(5minutes’ break)は大好きです。
初めはお互いもよく知り合っていないせいか、その5分を大変おとなしく
過しているようでした。
そこで 私は(日本昔話の紙芝居)を彼らに分かる言葉でクイズ形式にして
見せてあげました。
絵をみているので、易しい日本語とほんの少しの英語解説で
大体理解できたようです。
もちろん様々な質問が、とびだしました。
授業ではないので、机に座ったり、立ったまま、
ワイワイ説明を加えたりする生徒もでてきました。
予想外に、それが“ice-breaker”(緊張やよそよそしさをほぐすもの)
になったのです。

次の日の5minutes' breakは何をしようかと、
とりあえず「おりがみ」を持って行きました。
でも、オーストラリアから来た女生徒が急に立ち上がって、
複雑なジャグリングを見せてくれました。
その次の日は フィンランドから来た男子生徒二人が、
9冊のノートやテキストを集めて、それを並べて数学の図形の手品をしました。
本物のmagicianのように上手で、皆びっくりしました。
不思議がる私のために そのネタまで教えてくれたのですよ。
その手品は「9枚の絵」という題で、以後私のボランティア活動で
大いに利用させてもらいました。
その次の日がイングランドから来た男子で、母国で流行っている
パズルを紹介してもらいました。
その1つが先程のパズルです。
どうですか?  解けましたか?

解答は(4)です。
ルールは、四角形の「重なり」の数です。
図形は三角でも正方形でも好きな図を重ねて、
パズルの応用を作ってごらんなさい。
友達や家族に当ててもらうと面白いですよ。
応用パズルを作るのも、楽しい5minutes’break になります。
「日本語集中講座」も 雰囲気が変化していきました。
そのうちに毎日の5minutes’breakの予定表が作られるようになりました。
その中には私の当番もあり、授業のほかにその準備に悩んだことも
ありましたね…。
でも皆とても積極的になり、冗談も飛び交い、楽しい仲間になりました。
生徒達は 私が授業中は英語を使わないので「英語がわからない」と
思っていたようです。
皆で助け合って一生懸命日本語で説明してくれました。
終了式の後、全員が私の家にワイワイ集まり、
Farewell Party(送別会)をしました。
それは「5minutes’ breakの総集編」のような、
忘れられない楽しい会になりました。
「仲間と一緒にする『一休み』」と「自分ひとりでする『一休み』」は
根本的に違いますね。
「仲間と一緒」だと 気持ちがまとまっていなければ逆効果になって
しまうでしょう。
と言うことは、「自分の『一休み』の方法を自分で見つける」方がラクです…。
面倒だけど「既製品の案でなく自作」)を考えてみましょうよ。

“Heaven helps those who help themselves.”
  (天は自ら助ける者を助ける)

試行錯誤しているうちに何か良い『一休み』案がひらめくかもしれません。
uniqueな『一休み』法があったら、ぜひ参考にお知らせください。



2010-7-21

《みちる》 ボランティア通訳

Hi! 今日のテーマは『ボランティア通訳』にしましょう。

国際センターの語学ボランティアで英語の通訳をしていたときの事です。
仕事の種類はいろいろあり、どれも私には楽しい勉強の場になりました。
 
あるときは外国人と同行して観光地へでかけたり、
日本文化を紹介するために博物館や美術館へ行ったりしました。
またあるときは、ミツバチの養蜂業者の方々の国際会議の出席者と
野山を掻き分けて養蜂家めぐりをすることになったり、
またスポーツの国際競技の参加のお供をしたり、
囲碁の世界大会に同行したりもしました。
同行する際には、外国人と日本人の両方の出席者のために、
日本料理と外国料理を同時に作ったりすることもありました。
オレゴン州へ40人ほどの日本の中学生のホームステイの付き添いで
行ったこともありましたよ。
また、日本の伝統文化を外国人と一緒に体験する機会も多く、
陶器を焼いたり、和紙の紙すきなどまで、私も一緒にすることもありました。
その度に、いろいろな方々から手ほどきを受け、教えてもらい、
新しいことを学び、興味が湧きました。
 
もともと私には知らない分野も多く、
ボランティアの依頼を受けるといつも大急ぎで下調べをします。
専門用語や歴史などの背景も、ある程度調べてみたくなるのです。
ときには外国人によく日本のことを分かってもらいたいので、
そのためのクイズを考えたりもしました。
そして、自分なりに工夫して初対面の外国人と楽しく過せるように
準備をしておくのが常でした。
 
だから『ボランティア』は、日常の仕事以外にあるわけですから、
かなりの労力と時間を必要とします。
確かに二重生活ですから、忙しいですよ。
でも「volunteer」は「人助けをする」「感謝されたい」
「自分を犠牲にして奉仕する」など
というのでは全くありません。
「volunteer」とは「自分から進んでやろうとする気持ち」から
行動することです。
自分の生活にムリをしないで、出来る時間を『ボランティア』に
利用するのです。
 
でも、「ボランティアはお金をもらえないんでしょう…?」と言う人も
いるでしょうか?
そうですね、たとえ場合によって多少のお金をもらえたとしても、
それは交通費とその期間内の必要な食費や最低限の経費ぐらいですね。

でも、もし私がこの『ボランティア』をしなかったら、
私の人生は違っていたかもしれません…。
新しい分野を知る機会もなく、新しい知り合いも出来ず、
新しい世界へ飛び出す機会も得られなかっただろう、と考えてしまいます。
その価値は、時給や日給の報酬に比べられないほど、
大きなものだと確信しているのです。

ですから、どれも私には「楽しい勉強の場」になったと
明言できるのですよ。
何よりも世界中に知り合いや友人が出来、未知の情報が
随時に流れてくる…なんて嬉しいことです。

ボランティアの依頼は、世界各国から代表者が集まるなど、
国際的な大会を催す時などによく来ました。
そのような場合、もちろん「プロの通訳」が言語ごとに何人か出席し、
各講師に付きます。
プロの通訳の人は、余計な説明や自分の考え等を加えたりしないで、
一字一句、正確に通訳するのです。

では『ボランティア通訳』は、何をするのでしょうか?
難しい通訳はしなくてよいのです。
外国からの出席者の…いわゆる「話し相手」をします。
会場では、たいていお互いに初対面の方ばかりが、各国から集まってきます。
何か戸惑っていたり、ポツンと孤立している方がいたら声をかけて、
場合によって相談に乗ったりもしてあげます。
そして、その場の雰囲気を和やかにするように心がけ、
質問に答えたり、説明してあげたりします。
集まった方々が、スムーズに大会を進行させ、よい印象をもって
それぞれの国へ帰られるようにとお手伝いするのです。

以前、こんなことがありました。
あるとき消防関係の大会があり、『ボランティア通訳』の依頼が来ました。
ちょうど日本特有のじめじめした蒸し暑い日でした。

外国からの出席者は、宿泊しているホテルのロビーに集合します。
私たちもロビーへ迎えに行き、ホテルから会場まで大型バスで一緒に行きました。
その途中、バスの中で自己紹介をして、いろいろ情報交換をするのが
いつものパターンです。
たいてい、会場に着くまでには、冗談を言ったりして、
すっかり仲良しになってしまいます。
その日も、私の周りは英語圏の方々が座り、始まるまで一緒に
お喋りを楽しんでいました。
 
やがて、司会者がマイクの前に進み、「ゴッホン…」と咳払いをして 
話し始めました。
 
「えー、では、僭越(せんえつ)ながら一言、皆様にご挨拶をさせていただきます。皆様、本日はお忙しいなかを、遠路はるばる私どもの会場へお越しくださいまして 私ども一同、心より感謝しております。本日、皆様の前で、このようにご挨拶できることを大変光栄に思っておる次第でございます。また、本日は気候不順のおりから、あいにくの空模様となりましたけれども、大変お足元の悪いなかを、このように大勢の方々にお集まりいただきまして…」 

周りの外国人達は、サッパリわかりませんから、黙ってみていました。
私は 一応メモをとっていましたが、ちょっと唖然としていました。

「…それでは、皆様のお気に召すかどうか分かりませんが、なにとぞ、今日一日、私どもの用意したプログラムで、ごゆるりとお過ごし頂けますことを願ってやみません。…」

日本人らしい挨拶でした。
周りの外国人は、皆「何だって?」と言う顔をして私を見ました。

Ladies and Gentlemen, thank you for coming today.
 (皆さま来て下さって有難うございます。)
 We're very happy to meet you. 
 (お会いできてうれしいです。)
 We hope you'll enjoy our program and have a nice day.
 (私たちのプログラムでよい一日をお過ごしください。)」

と私はこの3文だけで説明しました。
 
「それだけ?」
「もっと長かったみたいだけど…」
「他には、本当になにも言わなかったのか?」
と急に皆が、私に言うのです。

「That's all. (それで全部ですよ。)」
と言っても、皆は半信半疑の様子でした。
 
そこで私はメモを見ながら、不必要な長い前置きを正確に訳してあげました。
すると、皆はあきれた顔をして口々に、
「What an introduction! (なんて前置きだ!)
 You're a good interpreter.(うまく訳したね。)」
と言って、笑って理解してくれました。


一日のプログラムが終わる頃、私の手元には、
カッコイイ消防服姿の写真や各国のバッヂ、
アドレス・メモ、
ポストカードや小さなお土産などたくさんが寄せられていました。
新しい知り合いがまた出来ました。
これはお金では買えない報酬だと思いませんか?

みなさんも、学業や仕事の空き時間に
『ボランティア』の仕事を経験してみませんか?


2010-7-14

《みちる》 相槌

Hi! 『相槌』の話をしましょう。

会話をするとき、私たちはよく相手の話にうなずいたり、
短い言葉をはさんだりしますね。
それが「『相槌』をうつ」ということです。
 
普通の日本語の会話では、
聞いている人は「ええ」「ハイ」「ウン」などの『相槌』をうちますね。
それを聞いて、話している人は(自分の話を聞いていてもらえている)とか、
(そこまでは理解しているから先へ進んでよい)とか思います。


もし、聞いている人が『相槌』をうたなかった場合、
または「ハ?」とか「エ?」とか、上がり調子で言った場合、
話している日本人は(よくわかっていないのだ)と判断して、
頼まれなくても繰り返して言います。


上の説明は、実際に「日本語を学ぶ外国人」用の本に
日本人の会話の『相槌』の説明として、書いてあることです。
たしかに、そのとおりですよね。どう思いますか?

つまり、英語には『相槌』というピッタリした単語がないので、
こうやって学んでいるわけです。
 
そういえば以前、私の日本語クラスで、
私が説明を区切るたびに、若いアメリカ人の生徒が授業中に大きな声で、
「ナルホド、ナルホド」と連発していたことがありました。
 
一つ一つの文節で「ハイ」と「ソウデスカ」を繰り返し『相槌》を
入れていた韓国人の生徒もいました。
 
オーストラリアからホームステイのために来日した高校生達も、
私が説明を区切るとすぐに「I've got it!」
「わかりました!」と
声を揃えて言いました。
 
きっと『相槌』のことを習って、一生懸命使っていたのかもしれません。
微笑ましく思いましたが…、
ただ『短い言葉を挟めばよい』というわけではありませんよね。
 
言葉でなくて「うなずき」だけでも充分、動作や顔つきだけでもいいでしょう?
 
「歌舞伎」でも timelyな「掛け声」がありますが、
デタラメに大声を出しているわけではありません。
どこで、何と言うかが、きちんと決まっているのです。
 
「昨日 電車に 乗ったら 中学の時の 友達に 会って 懐かしかった…」
と話すとき、

「昨日(ハイ!)電車に(ソウデスカ!)乗ったら(ナルホド!)、中学の時の(ハイ!)友達に(ソウデスカ!)会って(ナルホド!)懐かしかった(ハイ!)」
…なんて感じでいちいち『相槌』をうたれたら、滑稽でしょう?
 
反対に話をしているとき、まわりにいる人が…シーンとして、
ずっと無言で、リアクションもなく、沈黙が続いていたら、
私たちはどんな気持ちがしますか?
まるで写真か人形に話しかけているような気分ですね。
 
じつは、私も初めてアメリカに行った時、
一ヶ月ぐらいは落ち着きませんでした。
 
話をすると、私の話が終わるまで、
皆、じーっと私の顔をまっすぐ見て聞いていたからです。
誰も一言も、途中で口を挿みません。
しーんとしたなかで、話しているのは自分だけ。


そうなると、(あれ、私の言葉が通じないのかな?)と
途中で確認したくなったものです。
聞き手と向かい合っているときは、まだ(聞いてくれている)と
安心できるのですが、電話など顔が見えずに話しているときは、
「受話器を置いてどこかへ行ったのかな?」とさえ感じました。


でも、なかには“Oh, did you?”(そうだったの?)とか
“Aha!”(へぇ!)と、まるで小さな子供と話すときのように、
必ず短い言葉を挟んでくれた老婦人がいて、とても温かく感じたものです。

日本人は『相槌』のない会話に、慣れていないのですね。
特に私たちは会話中に、短い同情や感想を表す言葉…
「そう、よかったね!」「大変だったね!」「すごい!」等を入れてもらうと、
心地よく感じて、話しやすくなります。
 
『相槌』は、日本人にとって会話の習慣的な対応表現なのです。
 
外国人の場合は『相槌』をあまりしないかわりに
『eye contact』(相手と視線を合わせること)をして話をします。
これは、日本人にはあまり慣れていない習慣かもしれませんね。

小さな習慣の違いは、非常にたくさんあります。
気がつかないうちに、いつのまにか慣れているときも多くあります。
「そういうものなんだ」と違いを簡単に認められるときもあります。
「これは、日本風でないと…」と躊躇してしまうときもあります。
でも、すべてマネをしなくてもいいから、違いを認め合うこと、
そして、そこから前進することが国際感覚を身に付ける第一歩なのでしょう。

 Variety is the spice of life.
  …(
諺) 変化は人生に趣きを添えるもの。



2010-7-7

《みちる》 モンマルトル(後編)

Hi! みちる流『Montmartre(モンマルトル)』紀行(後編)です。

パリの『モンマルトル』について、私が歩いた足跡を一緒に辿りながら、
2回にわたってご紹介しています。
前編は、こちらからご覧ください。
 ⇒『Montmartre(モンマルトル)』紀行(前編)

前回の続き、丘の上の白いドームに到着したところから始まります。



遠くに見えていた白いドーム、
それは、
Basilique du Sacre-Coeur(サクレ・クール寺院)』だったのです。


[サクレ・クール寺院]

もちろん、ホテルを出たときは、あの白いドームが『サクレ・クール寺院』とは
見当もつきませんでした。
私は正面からではなく、横の小道から登ってきたわけです。  
ですから、寺院の全形は見えず、頭の上の丸いドームだけ見えていたのですね。
 
似顔絵描きが大勢いた「テアトル広場」から丘の頂上に来てみると、
急に雄大にそびえている白亜の教会の全形が現れたのです。
圧倒されるような、真っ白い建物です。
 
簡単な説明をすると、
この美しい白亜の教会『サクレ・クール寺院』は、「聖なる御心」という意味です。
1870年の普仏戦争の敗北をきっかけに、カトリック教徒たちの発案で建築が
始まったそうです。
建築開始は 1876年でしたが、戦いなどがあり、40年もかかって1914年に
やっと完成したそうです。
 
高さは エッフェル塔に次ぐ80m、小高い丘の上にあるので、とてもよく目立ちます。
正面右手に立つのは「ジャンヌダルクの像」です。
このドームも階段で上まで登ることができます。
建物は ロマネスクとビザンチン様式で有名ですが、
内部のモザイクの壁や聖母像は また素晴らしく、
大変美しいものです。
地下は納骨堂で、寺院所有の宝物が無料で一般公開されています。
でも、ここは厳粛な教会ですから、中に入ったら話をしたり、
大きな声を出したりしてはいけません。
係の人がすぐやってきて来て、「外に出て話をするように」と注意されますよ。

もし、この『サクレ・クール寺院』へ行く機会があったら、
歴史を誇る素晴らしい寺院の周りで
シャッターを切り、
時間をかけて、寺院の中を見学してみてください。

そして、『サクレ・クール寺院』の正面から出てすぐ前方を見ると
そこには、アッと驚くような感動的なシーンが現れます。

ドームまで上がれば「パリの街並みを空から眺めている気分」と言いますが、
この小高い丘の上の『
サクレ・クール寺院』の前からでも
見下ろすと、じつに美しい眺望、パリ全景を見ることができるのです。

その日は綺麗に晴れていたので、遠くに、エッフェル塔も見えました。
本当に ヘリか気球に乗って パリを見下ろしているようでした。
寺院の前は下の街まで続く幅広い階段があり、脇には 緑の公園があり、
その途中で休んだり
写真を撮ったりしている人もいました。
丘の下には 真っ直ぐな道が見え、大勢の観光客が歩いているのが見えます。
街はとても賑やかそうです。


[サクレ・クール寺院の正面から見るパリの街]

階段の脇に この頂上とモンマルトルの丘の麓を結ぶ
『フニクレール(ケーブルカー)』があります。
地下鉄やバスの共通券でも乗れますが、
わずか数秒で到着してしまうそうです。
 
下まで ピョンピョンと下りてみました。
10分くらいかかりましたが、ちょっと楽しかったですよ。
上りの階段はそんな簡単ではなさそうで、きっと体力を要しますが、
下りは階段で大丈夫です。
一番下は公園になっていました。
 
そこには、古い小さな『メリーゴーランド』が ガタゴトと動いていました。
その時は 1回2ユーロ(約¥270)でしたが、
これがまた有名なメリーゴーランドなのだそうです。
フランスの記録的な大ヒット映画『アメリ』の中にも使われたそうで、
観光客が取り巻いていました。
 
寺院から見えた真っ直ぐな街路は、ちょうど東京の浅草の仲見世通りのようでした。
両側は観光客目当ての土産屋が並び、
多分「Made in China」「Made in Indonesia」のタグが付いている、
reasonableな(手ごろな値段の)スカーフ、Tシャツ、帽子、バッグ等でしょう
たくさんカラフルに並べられていて、観光客が群がっていました。
 
地下鉄やバスも近くから発着しているようで、
普通はこの道を通って下から上へのぼって
『サクレ・クール寺院』へ行くのだと、
その時、気がつきました。
 
この近くには『モンマルトル墓地』があります。
墓地といっても、日本の暗い墓地を想像しないでください。
外国の墓地は 広い静かな公園のようです。
ここは「1759年開設」というのですから、歴史を感じさせます。
「ハイネ」「スタンダール」「ゴンクール兄弟」「オッフェンバッグ」
「ベルリオーズ」など芸術家の
お墓がありますから、散歩をしながら、
見つけてみるといいかもしれません。


『モンマルトル』の丘の話を長々と書いてしまいましたが、
もう一つ、お伝えしたいことがあります。
 
Le Consulat(コンシュラ)』と言うビストロ(小さな酒場・レストラン)が
テアトル広場の近くにありました。
その周りにビストロはたくさんあってどこも客で溢れていましたが、
この「コンシュラ」の雰囲気に惹かれて、たまたま入ってみました。 
これがとても古い建物の一つでした。


[Le Consulat]

後から聞いたのですが、
ここは『モンマルトル』の名物ビストロだったのです。
ロートレックやモネ、ゴッホなども通ったビストロだったそうです。
そして、ユトリロの絵にも描かれているそうです。
「あの店で…芸術家達が?」と考えたら、不思議な気分になりました
いったいあのテーブルで、どんな芸術談義をしていたのでしょうね。

パリで印象に残っているビストロが、もう1軒あります。
泊まっていたホテルの近くにあったベルギー料理のお店です。
チェーン店だそうですが、明るい雰囲気で入りやすいところでした。
『Leon de Bruxelles(レオン・ド・ブリュッセル)』というお店です。


[Leon de Bruxelles]

メニューを見ると、お薦めは『Les Classiques(ムール貝)』のようで、
周りの人達は皆、ムール貝をおい
しそうに?食べています。
「同じものを」と注文すると、「バター味、クリーム味、トマト味、カレー味」と
とにかく種類が多すぎて、迷ってしまいました
。 
飲み物が付いていて、フライドポテトは食べ放題と言われました。

適当に注文して、出てきたのは
バケツのような鍋に 山盛りいっぱいに入っているムール貝でした。
ムール貝は好きですが、こんなにたくさん、
しかもムール貝ばかり食べたことは初めてでした。
鍋の底のムール貝のスープは美味しいのですが、
食べても食べても貝、貝、貝だけです
貝の夢を見てしまいそうなくらい

でも、この料理も、今ではパリ名物の一つになっているそうです。
パリへ訪れたときは、一度は挑戦してみてくださいね。


[Les Classiques]

『モンマルトル』に滞在して、思いがけず 「体験してから知った事」が
たくさんありました。
予定外の「観光スポット」を「みちる流」に味わって、とてもトクをした気分に
なりました。
特に海外へ行くと「知りたがり屋」なので、私はすぐ質問し、メモり、
体験したくなります。


もし、今後パリに行く機会があったら、ぜひ「さんぽみち」を思い出して、
自分流に
『モンマルトル』の「テアトル広場」や「サクレ・クール寺院」を
歩いて、体験してみてください。
もっとたくさんの新発見があるでしょう。

Thank you for reading.




2010-6-30

《みちる》 モンマルトル(前編)

Hi! みちる流『Montmartre(モンマルトル)』紀行(前編)です。

パリの『モンマルトル』。
そこは、ゴッホやピカソも住みついた芸術の街でもあります。
そして私も、その丘に魅せられた1人です。
私が歩いた足跡を一緒に辿りながら、その魅力を2回にわたって、
ご紹介していきたいと思います。
すでに行ったことがある方は思い出していただき、
これから訪れようという方はぜひご参考にしてみてくださいね。



そのときはイタリアに訪問した足で、パリにも寄ることになりました。
ローマから、ちょうど2時間ぐらいのフライトで、
パリのシャルル・ド・ゴール空港に
着きました。
そして宿泊は、パリの中心のほうのホテルではなく、
たまたま『モンマルトル』の付近になったのです。
『モンマルトル』は、パリの中心から少し北に離れた山手地区で、
かつては芸術の中心地でした。
「え、芸術の話…?」と引かないでください。
今日は、そこのお話ですが、芸術に疎い私が、
芸術や芸術家に全く興味ない縁の薄い方にも
ぜひご紹介したいと思って書き始めました。

その『モンマルトル』に短期間ですが滞在することになった私、
…でしたが、じつは
その地についての予備知識は、当時「ゼロ」!
それは見事な「カラッポ状態」だったのです。
最初は『モンマルトル』自体についてあまり関心もなく、
フランス滞在中に『モンマルトル』を見てまわる予定も
立てていませんでした。
むしろ、『モンマルトル』からパリの中心街へ出るのに、
毎回、スリの多い地下鉄で行かなければならないので、
uncomfortable(心地よくない)とさえ、感じていました。

ところが、
自分の足で歩き、自分の耳で聞き、自分の目で見た『モンマルトル』は、
長い歴史を語る a spectacular film(スペクタクル映画)を観た後のように
印象的で、日本に帰って来てからも、ますます忘れられない地に
なってしまったのです。
 
どうしてでしょう?

では、その『モンマルトル』の丘を一緒に登ってみましょう。



ホテルの窓から見える小高い丘の上に、
それは美しい真っ白な丸い卵型のドームが見えました。
それほど遠くない距離のような気がして(それは大きな誤算でしたが)、
ブラブラと白いドームを
目指して散歩してみることにしました。
「あのドームは何だろう…?」と思って。 
そのときは、やがてそのドームのとりこになって
滞在中に何度も足を運ぶようなことになるなんて、
考えてもいませんでした。


丘のふもとの街は、カフェやレストランを中心に、
色々な店が並んでいて賑やかでした。
昼食を食べていなかったので、カフェに入りました。
店の壁や天井には人気らしいアスリート達の写真がたくさん貼ってあって、
身体の大きな、いかにも逞しい若者達が、ピザを食べていました。
「スポーツ・カフェ」だったんですね。
 
私も彼らのまねをして、ピザをちょいと一つ食べて…、
さあ、出発することにしました。
 
かつては、そこはブドウ畑や風車が連なる田園地帯だったそうですが、
1860年にパリに併合され、
その後 多くの文人や画家が集まり、
ワインを中心に歓楽街として発展したそうです。
その名残に 有名な劇場の「ムーラン・ルージュ」があり、
真っ赤な風車小屋のような建物が今でも一際目立っています。


[ムーランルージュ]

裏通りを登れば、『ゴッホが住んでいたアパート』があると聞いて
探してみました。
注意深く見ていないと、通り過ぎてしまうような普通の建物でした。

その壁に、これまた目立たない大きさのプレートがあって、
「Vincent・Van・Goghが1886年から1888年まで居住」と書いてあり、
やっと、この場所であることが分かりました。
ちょうど外国人観光客達が通り過ぎようとしていたので、
私はついでにその人達にも教えてあげました。
すると、みんなあわてて写真を撮っていました。
でも実際は、「ゴッホが弟の所へ居候していた家」だそうです。
あの印象派の画家のゴッホが、こんなよくあるような坂道の途中に
住んでいたのかと、見回してしまいました。


[ゴッホが住んでいたアパート]

気がつくと、白いドームは向かい側の丘の上に見えるので、
そちらを目指すことにしました。
たくさんの細い小道があり、どこもきれいに舗装されていましたが、
どの道も坂道と階段ばかりでした。

両側は日本でよく見るマンションやアパートのような住宅が
並んでいました。
住宅の窓や狭いベランダはどこも綺麗な花の鉢で飾られ、
ヨーロッパらしさを感じました。


[モンマルトルの街並み]

丘の下の陽気な街とは正反対で、静かな住宅街は人影も少なく、
時々大きなネコに逢うのもパリらしさ
と言えるでしょうか?

しばらく坂道を頑張って登ると、
『Le Bateau-Lavoir(洗濯船跡)』に着きました。
「洗濯船跡?」と思う人もいるでしょうか?
へんな名前が付いている所でしょう?


[洗濯船跡]

ここは、ピカソ、ルノワール、モディリアーニなどの画家たちが
アトリエを構えていた共同住宅の跡です。
ピカソは1904年から1909年までここに住み、
「アヴィニョンの娘」などを完成させたそうです。
アトリエは後に火災で焼失し、当時の写真を展示した記念碑だけが
残されていました。
 
彼ら画家の名前は有名なので知っているのですが、
「それにしてもなぜ、洗濯船跡っていう名前になったのかな?」
と疑問に思いました。
後で街をよく知る方から話を聞いてみると、
焼失する前の彼らの安い共同住宅が、
当時セーヌ川に浮かぶ洗濯船によく似ていることから、
こう呼ばれるようになった
そうです。
つまり、彼らの安宿のニックネームみたいなものですって。
 
急に道幅が広くなって、観光客が増えてきました。
丘に登りきると、…広場に出ました。
そこが、モンマルトルを象徴する広場である
『Place du Tertre(テアトル広場)』なのです。


[テアトル広場]

「似顔絵描き」が風物詩の一つで、様々な画風の絵描きが
観光客目当て?に自分の作品を並べ、
キャンパスを出しています。
マンガ風な絵、水彩画風の絵、油絵風の絵…などを自由に広げて、
芸術家のタマゴのような画家が
大勢いて、
モンマルトルらしい陽気な明るい広場です。
「似顔絵を描いてもらうのも面白いかな…?」と思いながら、
いろいろな絵を見てまわりました。
でも、その時は、絵を買ってしまうと荷物になると思い、
もっと色々と探検したいので、あえて素通りをすることにしました。

周囲はレストランやカフェが並び、どこも観光客でいっぱい。
そういえば、この風景を旅行雑誌でも以前に見たことがありました。
きっと名所の一つなんだなと思いました。
夜は歌声が響いたりして、さらに賑やかになるそうです。
夜も来てみたいな…と思いましたよ。
静かな住宅の坂道とは、別世界のように感じました。
でもそこは修道院の絞首台の跡地で、
19世紀には芸術家達が展覧会を開いた場所だったそうです。
 
その脇に、ロマネスク様式の『Eglise St-Pierre(サン・ピエール教会)』がありました。
ユトリロも描いた古い教会で、正面の扉には聖人の彫刻がありました。
ステンドグラスに赤色が多く使われているのが美しく、印象的でした。


[サン・ピエール教会のステンドグラス]

その教会の周りを歩きかけると、
ヴァイオリンを弾いている少女がいたり、
大道芸人もいました。
立ち止まって、ストリート・パフォーマンスを
もっと見ていたいと思いました。
でも、…
あっ! その奥に、目標の真っ白な卵型のドームが
見えてきたではありませんか!
思わず駆け出しました。
 
いよいよ、ホテルから見えたあの白いドームに到着です。


…というところではありますが、「前編」はこのへんでおしまいにしましょう。

今度はいよいよ「後半」で、その白いドームのお話をしましょう。
「さんぽみち」へ、Come back again!
 
See you soon!

2010-6-23

《みちる》 もうかりますか?

Hi! 『もうかりますか?』のお話です。


名古屋で日本語教育の先生方とお茶を飲みながら話をしていると、
こんなことがありました。


一緒に座っていた若いアメリカ人の男性が、
いきなり『もうかりますか?』と訊いてきました。

関西なら「ぼちぼちでんな!」と決まり文句が出るでしょう。
でも、場所は名古屋…。
しかも、その場にいたのは教育関係の人たちで、
金儲けにはおよそ縁の薄い人ばかり。

皆、なんて答えてよいか分からず黙ってしまいました…。

しばらくして、ようやく一人の先生がぽつりと口を開きました。
「今は…、あまり景気がよくないからね…」
とやっと答えると、彼はへんな顔をしています。
それから彼は、いきなり立ち上がってこう言いました。

「ちょっと、おてらへいってきます!」
そして、スタスタとどこかに歩いていってしまいました。

「お寺へ?」
残された私たちは、ますます首をかしげてしまいました。

後で分かった話ですが、
英語圏の人は日本語の2つの母音が並ぶと別々に発音しないで、
続けて発音する傾向があるようです。


つまり、『もうかりますか?』ではなく、
『もうかえりますか?』と彼は言っていたのです。
そして『ちょっと、おてらへいってきます』ではなくて
『ちょっと、おてあらいへいってきます』と言っていたのです。

一つの母音が抜けたり、不正確に発音すると、
全く違う文に聞こえることがあります。

そして、その場にいたら意味がわからず、
笑い話のように滑稽に感じられてしまうのです。




でも逆に、私たちの英語もちょっと不注意に省略したり、
語順を変えたりすると、意味が変わってしまって、
笑い話のようになったり、
場合によっては失礼な意味になったりするのですよ。

しかも、案外よく口に出す会話にもあるので、
私たち本人は気がつかないことがいろいろあるのです。



例えば…


Mother is sick in bed today.”(お母さんは今日病気で寝ています。)
と友達が言った場合、
“Too bad.”と返す人がいますね。
「友達だから短く言えばいい」と思って、

(お気の毒ですね)という意味で言ったつもりでしょうが…、
(しょうがないね。自業自得だ。)という意味に聞こえてしまいます。

やはり、はっきりと(お気の毒ですね)という意味で言いたければ、
“That's too bad.”と「決まり文句」で言わなければいけなせん。



では、こんな場合はどうですか?
外国人の方との食事のときに箸を出されたと想定して、
(あなたは箸を使えますか?)と聞いてみましょう。


Can you use chopsticks?”と言う人、いませんか?

(あなたに箸なんか一体使えるんですか?使えるわけないでしょう?
という意味に聞こえてしまいます。

「Can」には「能力がある」という意味があります。
だから、“Do you use chopsticks?”と言いましょう。

他の場合も同様です。
Do you read hiragana?”(あなたはひらがなを読めますか?)
などと使ってください。




こんな言葉を言う機会がたくさんあると思います。

I can speak English a little.”
(私だって、少しぐらいは英語を話せますよ。)という意味に聞こえます。

I can speak a little English.”
これだと(私は英語を少し話せます。)という意味になります。

「a little」の位置を変えると、副詞が形容詞になりますから、
意味が変わってくるわけですね。




少し換えると意味が全く奇妙になる文に、こんな例があります。


“Which do you like better, cat or dog?”
(ネコとイヌと、どちらが好きですか?)と訊いたつもりでしょうか?

…そうなっていませんよ!
(ネコの肉とイヌの肉と、どちらが好きですか?)
…と訊いていることになります。
「わぁ、いやだぁ!食べるの?」って言われそうですね。


Which do you like better, cats or dogs?”
が正解です。
「s」を付けるか付けないか、…なのに大変な違いになってしまいますよね。




まだまだ私たちが使ってしまう英語、
すなわち学校で習った英文のなかにも、
英語としては
間違っていなくても、
英語圏の生活では滑稽だったり失礼だったりする英語が含まれています。


(今、何時ですか?)と尋ねるとき、

What time is it now?”
と教科書にあった(教室英語)を使っていませんか?

学校で時計の読み方を勉強しているわけではありませんよ。
Do you have the time?”
と言いましょう。
でも、
これは(時間がありますか?)と誘っているのではないので、
勘違いしないこと。

(何時ですか?)と尋ねる時に使います。
(時間がありますか?=お暇ですか?)は
“Do you have time?”ですから、念のため。



(お名前は何ですか?)と尋ねるとき、

What's your name?”
と これも(教室英語)を使っていませんか?


取調べでは ありませんよね。

“May(or Can) I have your name, please?”などを使いましょう。



(どうぞ お座りください。)と言うとき、

Please sit down.”とか“
Sit down, please.”
と(教室英語)が登場していませんか?

いくら「please」をつけても、(座りなさい!)(座れ!)という命令に
聞こえてしまいます。

小さい子供や自分の仲間ならそれでもよいのですが、
“Would you (like to) sit down?”とか、
“Would you take a seat?”などの表現を使いましょう。




『もうかりますか?』は発音が原因でした。
でも外国人にとって日本語は、とても複雑で奥深いようです。
少しでもネイティブに笑われない英語を使いたいですね。


これからも「さんぽみち」で一緒にお喋りしながら、
こういうことも考えていきましょう。



プロフィール

【みちる先生】
横浜市出身。
英語教育と日本語教育にたずさわり、その教え子達は現在、世界の第一線で活躍中。
また数多くの国々を訪問し、国際交流のボランティア活動も展開。

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